マイナビが29日発表した2025年「最低賃金(最賃)に関する調査」によると、アルバイト就業者が「適正」だと思う全国平均の最賃は1200円だが、企業側の「適正」は平均1117円となった。25年に決まった1121円に対して、両者の評価が分かれる結果となった。
バイト就業者の現在の時給は1166円で、「適正」額とは34円の開きがあった。さらに、「仕事に見合う理想の時給」は1327円となり、現実との差額は161円にもなった。
今年の最賃論議で大きなテーマになった「最賃の地域差」を感じている人は70.9%に上り実際に、時給の高い近隣地域に越境してバイトをした経験者も6人に1人にあたる17.9%あった。北海道、東北、関東では19%を超えている。
一方、企業側の平均1117円を業種別にみると、「小売業」は1089円、「飲食・宿泊業」は1083円、「建設を除く製造業」が1111円と8業種中3業種が平均を下回った。企業規模別では「従業員10~50人未満」が1111円と平均以下だった。
今年の最賃の大幅引き上げに対しては、「大きな負担になる」が22.6%、「やや負担になる」が53.4%あり、合わせると76.0%に達した。
こうした結果について、同社は「企業側とアルバイト就業者の間では適正最賃額に開きがあり、企業の場合、最賃改定に伴う負担感もうかがえる。特に、企業規模が小さい中小企業は厳しい対応を迫られることが予想される」と分析している。
調査は9月1日~8日に実施。バイト就業者は15~69歳の約2000人、企業は約730社の回答を集計した。