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2026年4月10日

他県との競争、発効日の遅れなど 中央最賃審協議会が対応を議論

 厚生労働省の中央最低賃金審議会(藤村博之会長)は10日、第2回目安制度の在り方に関する全員協議会を開き、引き上げ額の「目安」について議論した。最低賃金(最賃)は昨年、中央審が出した目安を大幅に上回る県が続出。発効日も翌年に遅らせる県が出るなど、"荒れた"様相を見せたことから、中央審として是正に向けて対策を講じることにしたもの。 

 政府の大幅賃上げの方針に基づき、中央審は25年度最賃を全国平均で「63円、6.0%増」の目安を提示した。しかし、「最賃を大幅に上げないと他県に人材が流出する」「最賃最低県の汚名返上」などの理由で、目安を大幅に上回る県が相次ぎ、企業側が話し合いの席を退出する事態を招いた県もあった。

 結局、目安額を10円以上上回った県が11県も出るなど、平均で「66円、6.3%」と目安を上回った。また、企業側が「準備が必要」として発効日を遅らせるように要求。10月の発効日は20都道府県にとどまり、秋田、群馬など6県が翌26年からの発効にするなど、27府県が11月以降にずれ込む結果となった。

 最賃は中央審で賃金の実態調査など各種統計を参考にしながら、①労働者の生計費②類似の労働者の賃金③通常の企業の賃金支払い能力、の3要素を考慮して決定。地域ごとの「目安」として提示され、それに基づいて各都道府県の審議会で最終決定する仕組みになっている。しかし、25年に露呈した「地方の乱」は、従来の最賃の決め方に大きな疑問を突き付ける結果となった。

 この日は、(1)近隣県等との過度な競争意識や最下位脱却争い(2)発効日のバラつき(3)ランク制度――などについて議論。労働側委員からは「3要素による中央の決め方は、県民所得格差や労働力の流出と無縁ではなく、地方の強い危機感が感じられる」「大幅引き上げに踏み切った県の実績を翌年確認すべきだ」、使用者側委員からは「最賃決定にあたってデータをさらに充実させ、労使が納得できる議論をすべきだ」「昨年は他県との比較だけが焦点になり、企業の支払い能力に関する議論がみられなかった」。公益委員からは「昨年は大幅アップ企業に対して、自治体による補助金支援策が出るなど、特殊事情もあったのではないか」などの意見が出た。

 厚労省は「まだ議論を尽くしたとは言えない」として、引き続き、この問題について中央審としての考えをまとめたい考えだ。


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