2026年春闘の攻防が佳境に入っている。3年連続の高額回答を焦点に労使が折衝を重ねているが、物価上昇を上回る賃上げが実現するかどうか、中小企業などの現状は厳しい。大企業を中心とする18日の集中回答日の結果を受け、それがどこまで中小に波及するかがカギになる。(報道局)
連合が掲げる賃上げ目標は3年連続の「5%以上(ベースアップ+定期昇給)」だが、格差是正に向けて「中小組合は6%以上」、「有期・短時間・契約などの労働者は7%」と目標を"分割"し、全体の実質賃金を「1%上昇軌道」に乗せるとしている。
24年は5.10%、25年も5.25%と1991年以来の2年連続5%台の賃上げを実現できたものの=グラフ、労組員300人未満の中小企業になると各4.45%、4.65%にとどまり、大企業との格差が拡大しているのが実態だ。賃上げの恩恵が大企業から中小企業にも浸透するトリクルダウンが実現していないことになる。
このため、国民全体としては賃上げが物価上昇に追い付かず、実質賃金がマイナスになる現象が続いており、生活水準は下がったままだ。厚生労働省の毎月勤労統計によると、名目賃金から消費者物価上昇分を差し引いた実質賃金は22年から25年まで4年連続のマイナスが続いており、25年はプラスになった月は一度もなかった。
消費者物価は折からの円安傾向を背景に、22年の原油価格急騰をきっかけに急上昇。生鮮食品を除く総合指数の伸び率がそれまでの0%台から22年が2.3%、23年が3.1%、24年が2.5%、25年が3.1%と上昇。食品価格を中心にした値上げが続出して生活を圧迫していることから、この1月の衆院選では「消費減税」が最大の焦点になった。しかし、消費税は社会保障の中核財源であり、減税・廃止に踏み切るとその分の財源をどこかから調達しなければならず、選挙期間中は与野党とも国民を納得させられる代替財源を提示できたとは言えない。
その意味では、やはり「減税より賃上げ」との見方が強まっており、その分、今春闘の行方がクローズアップされる結果となった。現在、主要労組は次々と要求を提出。最大労組のUAゼンセンは「正社員がベア+定昇6%、パートはベア+制度昇給7%」、基幹労連は「1万5000円」、自動車総連は「1万2000円以上」、中小企業で構成するJAMは「1万7000円以上」など、次々と統一要求を提出して交渉に入っている。
これに対して、経営側もセガが「基本給を10%引き上げ」、ワタミが「ベアと定昇で7%引き上げ」、日本生命が「営業職員を平均6%引き上げ」など、すでに賃上げ表明した企業も多く、労使ともに賃上げの必要性については考えが一致している。「5%以上」という連合の大目標は今年も達成できる可能性が高い。
法改正の効果、どこまで浸透するか
問題は、中小企業だ。東京商工リサーチが2月初めに実施した直近の賃上げ調査(5008社)によると、...
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