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2014年2月25日

「5年ルール」の有期特別法案要綱を提示  労政審分科会了承、法案提出へ

 厚生労働省は25日、労働政策審議会の労働条件分科会(岩村正彦分科会長)に、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」の要綱を提示、了承された。労政審が14日に出した建議に基づいたもので、厚労省は近く有期特別法案を国会に提出する。

 同法案の骨子は、労働契約法の「無期転換ルール(5年ルール)」が適用される有期労働者のうち、(1)一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する人(上限10年)、(2)定年後に同一の事業主、この事業主と一体となって高齢者の雇用の機会を確保する事業主に引き続いて雇用される高齢者――に限って例外とするもの。

 「無期転換ルール」は昨年4月に施行された改正労働契約法の規定で、同一職場で5年以上働いている有期契約社員(パート、契約などの非正規社員)が無期契約への転換を申し出れば、企業側は拒否できない。しかし、昨秋の臨時国会で「国家戦略特別区域法」と「改正研究開発力強化法」が成立したのを受け、無期転換の申し込み権利の例外を検討するよう、労政審に委ねていた。

 労働者側委員は「例外措置が拡散していく可能性がある」と懸念を表明したが、あくまで「例外扱い」という厚労省側などの主張に押し切られた格好。労働者側は(1)について、対象者の範囲や年収などの具体的な要件を法案成立後に検討するよう要請。これを受けて、次回の分科会では具体的な「雇用指針案(ガイドライン)」を議論する予定だ。

 この日、労働者側は法案審議にあたり、(1)特例扱いについて政府の関与は最小限にとどめること(2)企業が政府に例外認定を申請するにあたっては、労組と協議することを盛り込むこと――の2点を要請した。

 一方、労働時間法制については、厚労省が作成したこれまでの労使の意見のまとめに、労使が追加意見を述べた程度で、論点整理は先延ばしされた。
 

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