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2019年11月13日

ベトナム理系新卒の「高度人材活用セミナー」、ジャパンクリエイト主催  大阪会場は15日 

 日本企業への新卒就職を目指しているベトナムの高度理系学生を支援する「日越就業能力開発プログラム」(ダン・ダン・トゥン センター長)と「日越エンジニアプログラム」(同)は13日、東京都内で海外新卒の採用に興味のある経営者や人事採用担当者を対象に「ホーチミン市校工科大学 理系トップ人材の活用セミナー」を開いた=写真。両プログラムのセンター長を務めるベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学のトゥン国際連携教育部長の基調講演をはじめ、日本で活躍しているプログラムの卒業生や採用企業の代表らが登壇。参加者たちと質疑応答を交えながら、優秀なグローバル理系人材の獲得に向けた最新情報と今後の展開を探った。大阪会場は15日に開催する。

191113.jpg セミナーは、今年で4回目を迎える。プログラムは2015年8月、ホーチミン工科大と大阪市に本社を置くジャパンクリエイト、同社の現地法人であるタンスイベトナムの3者が調印を交わして誕生。ベトナムの理系トップ校で特別な日本語教育などを受けた技術新卒を日本企業に紹介する仕組みで、3者が一体となって共同運営。これまでにカリキュラムの充実やプログラムの受講学年の拡大などを積極的に実施しており、既にプログラムの卒業生を高度技術者として日本企業に輩出している。

 第一部では、トゥン氏が「ホーチミン市工科大学とそこに学ぶ学生の資質」と題して基調講演。1996年に国費留学生として来日し、2002年に長岡科学技術大を卒業、07年に同大学院博士課程を修了しているトゥン氏は、ホーチミン工科大の特徴やプログラムの立ち上げの経緯と背景、狙いなどを説明したうえで、「企業側のニーズと学生の希望も事前調査したうえで常に内容をブラッシュアップし、良質なカリキュラムを実践している。優秀で意志が強く、日本で働きたい思いを持つ学生しか継続できない高いレベルのプログラムだ」と学生の資質に自信をみせ、さらに付加価値を高めていく考えを強調した。また、外国人理系人材採用の外部環境について、同プログラム日本事務局長の黒田覚氏が最新の動向や特徴を解説した。

 第二部では、「日本企業におけるアジア高度人材の必要性」をテーマにパネルディスカッションを展開。ジャパンクリエイトグループの安達信也専務を進行役に、ワード技研(神奈川県相模原市)の川井聡常務、日本電産トーソク(神奈川県座間市)で人事総務部を担当する甕(もたい)充男氏、黒田氏、トゥン氏がパネラーを務め、優秀なグローバル理系人材の採用と活用に至った背景をはじめ、その意義と課題などに焦点を当て、次代を見据えた企業の対応策について深掘りした。

 また、プログラム卒業生で、ワード技研と日本電産トーソクにそれぞれ採用され活躍中の社員が登壇。「大学で専攻して興味関心を抱いていた業務に就いており、学んだことが生かせている」「日本語教育はもちろん、日本のビジネスマナー、生活のマナーなども教わってきているのでストレスは少ない」と話した。また、プログラムの後輩たちに向けて「日本語は何よりも重要。プラスして会社の技術や製品を自分自身で頑張って勉強していく姿勢が大切」などと語った。

 第三部では、ジャパンクリエイトの海外事業部担当者が「海外人材支援サービス~日本で働く外国人のための就労支援~」と題して、人材紹介のプロセスをはじめ、運営状況や実績、今後の展開などを説明。同社のホーチミン駐在員事務所の担当者も現地での具体的な取り組みを披露し、来場者が高い関心を示していた。

 

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