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2021年3月 8日

テレワークはどこまで定着するか コロナ禍で注目、労政フォーラム

 労働政策研究・研修機構主催の労働政策フォーラム「新型コロナと働き方の変化~就業意識の変化と在宅勤務の動向」が5、8日の両日、オンラインで開かれた。コロナ禍でにわかに注目されているテレワークの可能性と課題について議論を深め、定着の可否を探るのが狙い。

 同機構の荻野登リサーチフェローが「在宅勤務をめぐる動向」、日本生産性本部の柿岡明上席研究員が「テレワークは定着するのか?」と題して課題提起した。荻野氏は、テレワークに対してこれまで厚生労働省、経団連、連合がそれぞれに発表した内容や企業調査を概観したうえで、生産性の向上に対する評価は半々で、今後の働き方はジョブ型と出社・テレワークを混ぜた「ハイブリッド型」に移行することを示唆した。

 柿岡氏は、同本部が企業を対象に継続実施している調査を基に、(1)テレワークができるのは限られた「幸運な」人たち(2)自宅では限界があり、サテライトオフィスの充実が必要(3)テレワーク実施率は2割程度で定着する見通し、の3点を強調した。

 事例報告ではソニーの高田直樹▽凸版印刷の奥村英雄▽エーザイの真鍋裕人の3氏が、各社の取り組みぶりを披露。ソニーは早い時期からテレワークに取り組んでおり、高田氏はコロナ禍の昨年からは全社員が原則テレワークに移行した経緯を説明し、今後は「ハイブリッド型になるだろう」と見通しを述べた。

 奥村氏は、「ニューノーマルな働き方」の実現に向けて、凸版が進めているリモートワーク制度の概要を説明。真鍋氏は、エーザイが働き方改革の「第2ステージ」として日本型雇用の幅広い見直しに向け、「自己裁量」を高める労働時間制の導入を検討していることを解説した。

 8日のパネルディスカッションでは、テレワークにおける懸念事項、今後の人事制度の展望、政府への政策要望などを議論した。3社ともコロナ以前から新たな人事・労務政策に取り組んできていることもあり、「コロナ禍でテレワークを導入したわけではないので懸念はない」(高田氏)、「今後、ジョブ型を意識した働き方は避けて通れず、テレワークはその一環」(奥村氏)、「ジョブ型希望者はまだ少ないが、日本型雇用を引きずるとイノベーションは生まれにくい」(真鍋氏)など、個人と企業の関係を問いかける、先を見据えた課題提起が相次いだ。


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