厚生労働省が30日発表した2024年の労働災害発生状況(確定値)によると、死者数は746人(前年比9人、1.2%減)の過去最少となった。17年の978人から7年連続の減少。しかし、休業4日以上の死傷者数は13万5718人(同347人、0.3%増)と4年連続の増加となった。
死者で最も多かった業種は例年と同様に建設業の232人(同9人増)で、製造業の142人(同4人増)が続いた。死傷者では製造業が2万6676人(同518人減)で最も多く、小売業が1万6485人(同311人増)、陸上貨物運送業が1万6292人(同77人増)で続いた。
事故の類型別でみると、死者は「墜落、転落」が188人(同16人減)、「交通事故」が123人(同25人減)、「はさまれ、巻き込まれ」が110人(同2人増)の順。死傷者では「転倒」の3万6378人(同320人増)が最も多く、増加の一途。次いで、腰痛など「動作の反動、無理な動作」の2万2218人(同165人増)、「墜落・転落」の2万699人(同59人減)の順。
高齢者の就労が増えているのを背景に、労災も年々増加。24年の60歳以上の死傷者は4万654人で、全体の30%を占める過去最高となった。死傷者数を延べ労働時間数で割った「度数率」でみると、60歳以上は男性が2.10、女性が2.95となり、30代と比べると男性は2倍、女性は6倍の高さだ。高齢者の労災対策の強化が望まれる。
一方、派遣労働者の死者は13人(同1人減)と2ケタが4年続き、死傷者も7504人(同612人増)と4年連続の増加で、例年と同様に製造業が最多を占めている。また、外国人労働者の死者は39人(同3人増)、死傷者は6244人(同864人増)と大幅に増え続けている。国別比率ではベトナムが25.5%と4分の1を占め、フィリピンが14.1%、インドネシアが12.1%で続いた。